2008年10月07日

からくりからくさ

 草木染めネタつながりで、久しぶりに本の話を。

ロケセット.jpg 今一番はまって読んでいる作家が梨木香歩さん。きっかけは、清里でたまたま「西の魔女が死んだ」のロケセットをみたことだった。
 前から読もうかなと思っていたのだけど、この縁があって、帰りに書店で文庫を購入。で、そのままずぶずぶとはまり、この夏の間に、今出版されている文庫をすべて読んだ。そろそろ単行本に移行するか、というところである。単行本、重いから通勤読書に向かないんだけど・・・

からくりからくさ.jpg で、中でも一番好きなのが「からくりからくさ」。読んだことがある方なら、多分「なぜ好きなのか」は説明不要だと思う。
 古い家で、4人の女性と人形が共同生活をする。草木染めを生業にする蓉子、紬を織る紀久とキリムを織る与希子、異邦人(外国人、というだけでなく精神的にも)として登場し、この「家族」に癒されていくマーガレット、いのちを持つ市松人形の「りかさん」。

 「西の魔女」もそうだけれど、静かに静かに話は進行していく。けれど、ささやかなエピソードが絶妙にからみあい、鮮烈なクライマックスを迎える。ミステリーの要素もあり、長い話なのに一瞬も飽きさせないのはさすが。

 この話の中で、さまざまな草木染めが登場する。蓬、柏、桂、カリヤス・・植物を育てて、食べて、染めて、といった描写がとても染みる。一歩間違えばどろどろした話になりそうなところを、植物と染め織りのエピソードがからみ、独特のしみじみした読後感につながる。

 夏に草木染をやろうと思ったのは、この本の影響もあるんだろうな。そうそう、ひとつ前のsana-mamaさんへのコメントにも書いたけれど、読み返したらしっかり「(カリヤスは)穂が出る前に刈り取るのよ」っていう台詞もあった。

天蚕.jpg そして、天蚕のエピソード、これがやっぱり一番好きかも知れない。何度読んでも泣いてしまう。内容を書くとネタばれになってしまうので、ぜひ読んでね、ということにしておこう。
 写真はまさにその、天蚕の繭。蚕が出た後のもの。こんなにやさしい緑色なのだ。これも不思議な縁で、「からくりからくさ」を読み終えた頃、ある方からいただいた。


ヒメワスレナグサ.jpg おまけ。ロケセットにあった「ヒメワスレナグサ」。「西の魔女」を読んだ人には「これか!」だよね。

posted by みず穂 at 22:14| Comment(4) | TrackBack(1) | 着物つれづれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする